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『モノづくり』で大切なこと~【基本編】~

蓮尾 泰三

皆さまは、『モノづくり』を行う上で大切なことは、何だと思いますか?
私は、『基本』・『継続力』・『観察力』この3つが重要だと考えています。
今回は、まず『基本』ついてお話させていただきます。

「基本」とは、物事を成立させるために基づくもののこと。
どのようなお仕事でも「軸」となる大切なことです。
ちなみに私たちのお仕事ですと・・。「デッサン」と「ヒアリング」でしょうか。

スケッチ図

 私は、高校3年生の時に恩師と出会い、
「デザインに関わる仕事をしたいのならデッサンを学びなさい。」と指導頂きました。
 ご存知かと思いますが、「デッサン」とは、立体的な対象物を平面に描写することです。
「デッサン」は、描写力、構成力、光と影の関係性等々、空間デザイン〜プロダクトデザインまで、
全てのものづくりに関連する基本中の基本といえます。
よって、お客様にデザイン(=商品)の良さを伝える際は、この技術が本当に役に立つ。
例えば、新しくモノづくりをする際は、「どんなものを作ろうと考えているのか」、
これまでの世の中には存在しないものを何らかの手段で説明しないといけない。
例えば言語で、人にイメージを伝えることを考えてみて欲しい。
すぐ、自分のボキャブラリーの乏しさを嘆き、相手の理解力のなさに失望してしまうでしょう。
 しかし、ビジュアルが具体的になるスケッチやイメージ図などで説明すると、
ご相談者様はその商品の良し悪しを見極め判断することができます。
その判断ができると、自分にとってその価値が必要かどうかが分かる。
価値が分かると、購入意欲が湧いて、完成が楽しみになる。
このように、「デッサン」は立体的なものを素早く説明できる力なのです。
だから、「デッサン」は、私たちにとって、基本と言えます。

ゾーニング図

そしてもう一つの基本が「ヒヤリング」です。
「ヒアリング」(=聞き取り)は、単に希望をお聞きするだけでなく、
お客様に信頼感を持っていただけるチャンスにも繋がると思います。
私達のご相談者様は、【プロに想いを聞いてほしい!】と思い、ご相談をされる方が大半です。
つまりご相談者は必ず「問題」をお持ちです。
商品価値のあるものをデザインするのですから、問題を解決するために、
まずお客様の希望をしっかりと理解しなければなりません。
また、皆さんには、これは常識と思い込んでいる専門用語や知識がいっぱいあります。
そして、それらをついつい当たり前のように使ってお話をしてしまっていることが多々あります。
そうすると当然、お話のキャッチボールは滞ってしまいます。
相手の気持ちになって、1つ1つ丁寧にお話することが大切です。
昔、この業界に入りたての時、上司から
「お前は、当たり前のことをやたらと時間をかけて、話をするな~笑」とよく言われました。
でも入りたての自分からすると、何もかも初めてのこと。
ご相談者様も当然、初めてのことだと理解できました。
未だにその想いは変わりません。
 そして十分に想いを理解したヒアリングの後半は、【なぜ?なぜ?どうして?】が必要です。
なぜ?道路って傾いているのか?
どうして階段が5段必要なのか?
通路や階段の幅はどうして1.2m以上必要なのか?
時間は掛かりますが、ヒアリング(=聞き取り)しながら基本的な考えをご説明する。
その行為が、以後の信頼・安心・満足に繋がることだと考えます。
「基本」は本当に大切。
「基本」をもとに1つ1つ事を進めていければ、次のステップが見えてきます。
 

お客様との写真

皆さんの「基本」は何でしょうか?
今一度考えてみて下さい。
人はよく見ています。
この「基本」を軸として、是非プロのご提案をしていただければと思います。

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