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みどりのある暮らしを楽しむ -エクステリア植栽の構成-

碇 友美

皆様はエクステリアの植栽ってどんな植物を思い浮かべますか?

人の暮らしに関わる植物には、自然の森林などの植物から、道端の野花や雑草までありとあらゆる植物があります。

その中でエクステリアの植栽として扱う植栽は、主に樹木から草花まで様々で、
さらに最近では海外の多くの園芸品種や樹木も入手でき、多種多彩な植物があります。

エクステリアを設計する際にも、この多くの植栽を覚えて性質を理解し、選定していくので、悩むところではあります。

エクステリアの植栽は、住宅の外部空間や庭など限られたスペースや広さの中で、
周囲には住宅が隣接していたりするため、どんな樹木でも使えるというわけではないです。

では、エクステリアの植栽とは、どこまでの範囲で、どんな植物でどういう構成なのでしょうか?
植栽に携わっていないと、なかなかわかりにくく曖昧なところではあります。
そこで、今回は、エクステリア植栽について、基本的な構成、分類を簡単にまとめてお話しいたします。

上記図解を参考にしてみてください。

まずは、幹が木のように硬くなるものを樹木(木本類)とし、茎が木のように硬くならないものを草花(草本類)とし、
それぞれ常緑性と落葉性があります。(草花の1・2年草に常緑・落葉はない)

樹種については、公共空間の街路樹や公園にはケヤキやイチョウなどが植えられていますが、
大木になるため個人宅などのエクステリアではふさわしいとはいえません。
エクステリアの樹種においては、樹形を損なわない、ある程度の大きさで維持ができる、
剪定がしやすいなどの樹木が求められるからです。

住宅まわりに植える樹木は庭木と言われますが、庭木は樹木までという意味合いが強いので、
エクステリアの植栽としてはもう少し範囲は広く、さらには草花の多年草まで計画・植栽するのがエクステリアの植栽範囲です。

また、植栽は樹高の違いによって使い分けて計画することから、
植栽時の樹高が3m以上を目安として高木、3m未満~1m以上を中木、1m未満を低木として分類しています。
この樹高の違いよる高木、中木、低木の分類はエクステリア業界の分け方となります。
※設計者・施工会社によって高さの目安がちがう事もあります。

造園学や園芸学などでは少し違った分類もあり、学術的な分類・樹木図鑑の分類とは違ってくるのはこのためです。

次に草花(草本類)については、多年草と1・2年草に分かれますが、
1~2年で枯れ、毎年植え替えが必要な1・2年草は、住まい手が楽しむガーデニングの要素が強いため、
エクステリアの植栽提案・施工に含まれることは少ないです。
ですが、一・二年草を植える事で、空間にアクセントとしての彩りや季節感がうまれます。
施主が植物に親しみ楽しむきっかけとなりますので、性質や必要性をご説明するようにしています。

多年草は、常緑多年草、宿根草、球根に分かれていて、冬に地上部が残る(常緑多年草)か、
残らない(宿根草)か、または球根類で分けられます。
立ち姿や形状が風になびくような自然な姿のものが多く、多彩な花、実、紅葉も見られ、
季節の彩りや移ろいを近くで感じることができます。

計画に際しては、多年草の花の開花期間や花の咲く高さ、葉の色や形状などの組み合わせを考慮し、
高木、中木、低木とのバランスも配慮しながら、季節の花を一年通して楽しめる植栽計画を心がけています。

このことから、エクステリアの植栽の一般的な範囲は、住宅地に植えて支障のでない高木から、
1・2年草を含まない多年草までをエクステリアの植栽としています。

そもそも自然界も高木から低木、草花までバランスをとって生きています。
ですから高木から多年草まで植栽することで、自然な植栽をデザインすることができるのです。

少し知識の要素が多いお話になってしまいましたが、住宅、暮らしに植物は関わってきますので、
おおまかでも整理できるとたくさんの植物も理解しやすくなりますね。
今後の情報もわかりやすくなると思いましたので、あえてお伝えしてみました。

気づきや理解が進めば、よりみどりを楽しめ、人の暮らしももっと豊かになると思います。
ぜひ、お客様にお話しする、ご自宅の植物を扱う際には思い出してみてください。

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