- Exterior
- 2021.09.30
植栽提案のススメ
樋渡 達彦
こんにちは。インテリア・エクステリア専門会社「セキスイデザインワークス」の樋渡です。
皆さん、植栽提案は積極的に行っていますか?
そして提案した植物は採用されて植え込まれていますか?
造園家やガーデンデザイナーなど植物を専門に活動されている方は当たり前かもしれませんが、
住宅メーカーや工務店など特に新築のエクステリアに携わられている方は植栽提案って難しかったりするかと思います。
こちらの想いを伝えてどんなに素晴らしい植栽提案をしても、
・落ち葉を掃除するのがイヤなの!
・虫が嫌いなの!
・予算がないの!
などなど。
このような理由から提案しても取り下げたり、また、言われることが分かっているので
初めから提案すらもしないケースなどあるかと思います。
しかし私たちエクステリア・ガーデンに携わる者は、
日本の街並みを豊かにすることを目的として活動されていると思います。
そこに植物の無い暮らしを提案してつくりあげることは、
皆さんにとっても本望ではないかと思います。
このようなコンクリートとアルミだけの街並みは誰も望みませんよね。
これくらい植物を取り入れてエントランスを整えたいけど・・・。
では、どうしたら提案した植栽計画がお客様に受け入れてもらえるか?
もちろん嫌いなものを無理に押し付けては、
以前「提案力をやしなう」でもお伝えした通り設計者のエゴになってしまいます。
「葉が落ちない木」「虫が付かない木」などありません。
ここを解決しようと、お客様から言われたこの土俵で戦っても答えは出ません。
例えば住宅営業の方も「〇〇ハウスの建物は値段が高いから~」と言われて
「そうですね~」と答える営業マンはいないと思います。
建物の良さを伝えるために商品に価値を付加して、高いと感じる対象を価格ではなく
デザイン力や機能性、快適性などに置き換えて、お客様の言われた事と異なる土俵で戦うと思います。
植物も同じです。
「葉が落ちる」「虫も付く」しかしそれ以上に、
植物を植えることでこんなに素晴らしい暮らしが待っています。
とお伝えしたらどうでしょう。
・緑があることで人々が集う優しい空間を演出します。
・新緑、紅葉など四季を感じることが出来ます。
・まだお子様が小さければ、実が成ることで小鳥がやってきてさえずりを楽しめます。
・緑地があることで保水され、地球温暖化防止に貢献出来ます。
このようにマイナスのイメージでお話しくださる方へプラスのイメージをお返しすることで、
お客様の先入観、考え方が変わっていきます。
また、人は見た目の素晴らしさよりも、五感情報や環境配慮などの快適性を伝える方が
説得力が増し、購買意欲を高めます。
このようにお話を展開していくことで、掃除嫌い、虫嫌いな方でも、もちろんすべての方ではありませんが
多くの方が最低限は植樹して頂けるようになります。
せめて主木(シンボルツリー)だけでも。
パース②(あるべき姿)をお伝えして、パース①(緑が無い外観)をイメージして頂き、
緑のある暮らしのメリットを提案し想像してもらうことで、
パース③(1本のシンボルツリー)の植栽計画が採用されるようになります。
昨今の住宅事情から植木を少なくする傾向にあることは事実としてありますが、
我々は屋外設計の専門家として緑のある暮らしの良さを伝える責任があると思います。
もし植栽提案でうまくいかない方がいらっしゃいましたら参考にして頂けたらと思います。
みんなで緑豊かな街並みを一緒に増やしていきましょう。