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インテリア・エクステリアのトータル提案でコロナショックをコロナチャンスに

三浦 祐成

コロナショックで「おうち時間充実志向」が高まりました。これは新建ハウジングで行ったアンケート調査やそれ以外の調査でも明らかで、住宅・インテリア・エクステリア業界にとって追い風。住宅・リフォーム需要にもつながっています。

2021年は、ワクチンの普及もあってコロナリスクは徐々に低減していくでしょうが、おうち時間充実志向&住宅・リフォーム需要は低減させない、逆にさらに盛り上げる取り組みを、個社で、業界をあげて行っていくべきです。

劇的ビフォーアフターに学ぶ

「大改造!!劇的ビフォーアフター」というTV番組があります。現在は不定期放映のようですが、一時はレギュラー放送され、人気でした。 業界では賛否両論だったこの番組ですが、リフォーム需要(&おうち時間充実志向)の底上げに、ずいぶん貢献したと考えています。

住宅は計画的購入商品でもありますが、衝動買い商品でもあります。特にリフォームは衝動買い商品に近いと思います。

家の中の「不」=不満、不便、不快、不潔などに気付き/再確認し、それを改善したいという欲求が高まった時、また羨ましい住まいや暮らしぶりを見て体感して、こんな住まいと暮らしを手に入れたいという欲求が高まった時に、行動を起こす人が多い。

ビフォーで強烈な「不」をこれでもかと示し、アフターで羨ましい住まいと暮らしを感動と共に示す「劇的ビフォーアフター」は、TVという強力な「プッシュ型」のメディアを使って住まいと暮らしの改善・実現欲求をかき立てる「需要創造装置」のような番組だったように思いますし、この手法は今でも参考にできます。

オンライン活用のチャンス

コロナショックによる強制的ステイホームで、自宅の「不」に気付き/再確認した人は多い。2021年は羨ましい=共感できる住まいと暮らしを、これでもかと提示することが必要です。

その点で言えば、コロナ禍に、例えば「インスタグラム」で「#おうち時間」などをつけて住まいと暮らし(自慢)、庭暮らし・家庭菜園の写真を発信する人が増えたり、住宅事業者だけでなく個人がYouTube・SNSで「ルームツアー」(住まいの動画紹介)を行うケースが増えたり、「ルームクリップ」や「ピンタレスト」といった写真共有プラットフォームで住まいの写真を共有・検索する人が増えたりと、住まいと暮らしの提示は増えました。

これはいいトレンドで追い風にすべきですし、これらのオンラインツールは個社で活用すべきです。またこのサイトもそれに貢献するでしょう。
ただ、インターネットは基本的には「プル型メディア」=自分から検索したりSNSを開かないと情報が入ってこないメディアです。

TVはふとした拍子に目に入った番組を見続けてしまうことも多く、その点で「プッシュ型」で、だからこそ衝動買いのきっかけになります。
TVを含め、もっとプッシュ型で、ふとした拍子に目に入るように、住まいと暮らしについて発信できればと思います。

2021年に実践したいこと

いっとき住宅事業者が、自社の家づくりのテイストと揃えたカフェやグリーンショップなどの店舗を運営する「ビレッジ戦略」の実践が進みました。
これも、その場にきた人に、居心地の良さやそれを実現できる自社の存在を伝えることができるプッシュ型の発信の1つです。
住宅事業者による小売業など異業種とのコラボや、空き家をリノベした「サードプレス」の運営なども同じです。

コロナリスクが低減しリアル・対面が再開していく2021年は、こうしたリアルなプッシュ型、そして体験型の発信を仕掛けるチャンスだと思います。
また、建材・設備メーカーや流通事業者、そして住宅事業者がタッグを組んで、イベントなどによるプッシュ型の発信を仕掛けるのもいいでしょう。

一方、個社、特に工務店としては、建物だけでなく、家具や雑貨を含めたインテリア、そして庭や外構、中間領域を含めたエクステリアまでトータルに提案すべき時です。
これが一番シンプルで具体的な「暮らしの提案」ですし、ここまで述べてきたようにコロナショックきっかけでそれを欲する人が増えています。

逆に言えば、建物だけの提案では弱い。
地元の気候や敷地の特性を活かせる、建物の性能やプランで居心地のよさを実現できる工務店だからこその、インテリア・エクステリアを含めた「トータル提案力」が強みになるはずです。

その「トータル提案力」とそれを生かした住宅事例や店舗やオフィスなどの空間を、プル型=オンラインでも、プッシュ型=オフラインでもどんどん発信し体感してもらい、「そうそうこんな住まいと暮らしがしたかった」と気付かせる、共感してもらう。
2021年に取り組んで欲しいことの1つですし、それを行なっている工務店さんはコロナ禍でも好調を維持しているように見えます。

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