- Interior
- 2021.03.02
美しい住まいの明かり①
タカキ ヒデトシ
唐突ですがみなさん !
『 配灯計画 』 と 『 照明計画 』 の違いってわかりますか?
配灯計画は《 机上の論理 》
照明計画は《 実践的戦略 》
“ 美しい住まい ” に近づくためには二つの違いを理解しなくては
なりません。そこで、簡単に二つの違いを説明していきます。
『 配灯計画 』 は 《 机上の論理 》 とは、
データをもとに、決められた予算 ( コスト ) に合わせて理論 ( セオリー ) 通りに、
平面図に対して見た目だけで判断し、文字通り “ 配灯 ” していくこと。
論理 ( logic ) は、議論を進めていくための道筋。理論 ( theory ) は現象を説明するための知識です。
なので、実際の現場を見ていなくても “ あたかも事実である ” かのように話を推し進めることができます。
『 照明計画 』 は 《 実践的戦略 》 とは、
そこに住まう家族の状況はもちろんなんだけど、建築会社の施工のルールや
設計者の意図 ( 狙い ) や予算から “ 総合的に考えて ” つくりあげるもの。
設計者の意図をくみ、インテリアを含めた “ 照明デザイン ” をすることです。
残念ながら図面での両者の違いは
“ コンピューターで色付け ” されてしまうと、ほとんどわかりません。
『 配灯計画 』 された図面
《 机上の論理 》 による見た目の計画
まんべんなく空間が明るいと思える。
だから安心する。
『 照明計画 』 された図面
《 実践的戦略 》 が施された計画
見た目で判断され通路が暗いと言われる。
だから不安になる。
違いがわからないから 「 見た目 」 と 「 コスト 」 だけで判断されてしまう。
典型的な 『 配灯計画 』 に多数が 「 正解 」 だと思ってしまうから、
希少性の高い『 照明計画 』 が排除されていく。
けれども、現場に入るとその違いは一目瞭然でわかります。
『 配灯計画 』 でつくられた現場では予算に応じた明るさの確認しか体験できない
のですが、 『 照明計画 』 された現場には “ 感動体験 ” が待っています。
設計者の意図に寄りそった照明には、文学的な詩情のようなものさえ感じられるものなんです。