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美しい住まいの明かり③

タカキ ヒデトシ

住宅には美しい比率も潜んでいる。


こちらは、中庭をリビングに取り込んだメーターモジュールの家です。
ここに美しい比率が隠されています。


天井高さ2500に対して間口4000という比率は 「1:1.6」の関係。
人が“美しい”という感情を抱く『黄金比』にピッタリと当てはまります。
一般的な日本の住宅の天井高さと間口の広さには、何もしなくても美しい“かたち”が潜んでいるものなのですが、
それをわかっている人が残念ながら本当にいなくなってしまいました。


中庭の奥にある壁も窓とそれえた黄金比で、キャンパスに見立てています。
そして、天井ラインとそろえられた中庭の壁が遠近法となってリビングの景色に取り込まれる。
私たちは、かつては「立木」と呼ばれていた今でいう伝統芸能の“活け花”のような庭を目指しています。
新しいものもよいのですが伝統のモノはもっとよい!
「アーキタイプ ( 原型 )」に立ち返るというのはこのようなことなのです。

これからは、照明の世界もどんどんデジタル化が進んでいきます。

明るさや光の色味(色温度)などもすべて「ヒデトシ!明るくして」とか「オッケー!ヒデトシ 」 なんてことを
“音声解読機能”をもった機械に話しかけると、調光システムだけでなく、
家のしくみ全体を“デジタル制御”するようになっていく。

そうなると、用途や好みで細分化される一方で、複雑なしくみがAIなどによって編集され、
どんどんしくみがシンプルになっていって多くの人に浸透していきます。

そこから、みんなが同じ「思い込み」や「先入観」や「固定観念」 といった心の働きまでもが、
類型化された一つのモノへの概念に染まってしまい「ステレオタイプstereotype(典型)」というパターンに陥ってしまう。

すると世の中から“希少性”というものがどんどん排除され、多数が向かったところが
「正解」にされていってしまいます。

照明の世界でもこのことは大問題なので、
「本当にそれでいいの?」「本当にそれでキレイになるの?」「それだけが家の付加価値になるの?」といったことを
常に問い続けないとイケないのです。

配灯計画では「明るいか暗いか」「高いか安いか」「好きか嫌いか」といった二分法的な判断にしかたどり着けません。
ここには言いかえるならば「型番」か「値段」か「好み」かといったビジネスしか感じられない。

照明計画は、建築やインテリアや庭といったものを引き立てるスパイス。
そのスパイスは「目には見えない光」です。決して、型番や値段や好みから考えるものではありません。
まずは情感豊かな空間をイメージしてください。
想像して、想像して、想像して、想像しつくして、脳裏にその表象をイメージすることができれば
“美しい住まいの明かり”になるはずです。

『人は、頭の中に思い描いたものしか、指先以上には降りてはこない。』

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